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タナポン・アッカワタンユー インタビュー

Q: 自身の劇団でも現在作品を上演中なんですか?

今回の作品では脚本と演出を担当しました。出演はしていません。『プラータナー:憑依のポートレート」(“Pratthana – A Portrait of Possession”)では俳優をやっていますが、ぼく自身は自分の劇団で俳優を務めることはほとんどありません。今回の作品は別々の時代を生きる三人の少年にまつわる物語です。タイで有名な人物チット・プミサックの来歴に基づいた史実と、アニメ「機動戦士ガンダム」(Mobile Suit Gundam)や日本のボードゲームから着想を得て、三人の少年がルールを侵そうとする様子を描いています。

Q: これまでの演劇的な、もしくはアーティストとしてのバックグラウンドを教えてください。

ターマサート大学マス・コミュニケーション学部(Thammasat University マス・コミュニケーション学部)では映画を専攻していました。
大学時代に演劇サークルに入ったことがきっかけで、演劇へ傾倒していきました。サークルを通じて、大学外のアーティストとも知り合い刺激を受けたことで、卒業後も演劇を続ける気持ちが固まって、スプラッシングシアターを旗揚げしたんです。現在は劇団として6本目の作品を上演しているところです。

Q: 原作小説を読んでどこが印象的だった?

第5章の終わりに、それまでとフォントが変化している部分が印象的でした。中でも、カオシン(Khao Sing)の命令に従って、ワーリー(Waree)がビデオ通話で自慰行為を見せるシーンは、僕たちも経験したことのある政治状況になぞえられている気がしました。セックスと政治が入り乱れるこのシーンがもし映画だったら、モンタージュのようにシーンが切り替わる画が頭に浮かびましたね。クライマックスの場面では僕の呼吸も早くなり、疲れと解放感のある読後が新鮮な体験でした。

プロフィール

タナポン・アッカワタンユー

1992年生まれ。タマサート大学ジャーナリズム・マスコミュニケーション学部卒業。2014年、演劇カンパニーSplashing Theatre を共同創設。これまでほぼ全作にて作・演出を務める。映画を学んだバックグラウンドから、自作においては映画作品をモチーフに現代社会の人間像を描くことが多い。IATC Thailand Dance and Theatre Awards 2016にて”The Disappearance of the Boy on a Sunday afternoon”がBest Play賞と最優秀脚本賞を受賞。

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